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電子式多機能保護リレーを用いた異常検出・保全技術と適用メリット

東芝シュネデールエレクトリック 押切 裕之
2004年11月

キーワード「異常検出/予防保全/事例」

1.はじめに

昨今,設備機械に要求される仕様が高度化され生産速度のスピードアップが要求されるようになったため,動作は複合化され,それに伴い制御はより複雑になっている。保全の観点で見ると,複雑になったがために異常時の対処方法による迅速な復旧が困難になっている。

設備機械が高度(複雑なパラメータ設定および入出力I/Oの多点数化)になるにつれて,より高度な保全技術を要求されるだけでなく,

  • 機械の負荷状況の変化を迅速に読み出し,異常を事前認識し
  • 自己診断機能によるHMI・遠隔PCへの表示機能をも備え異常予定個所の修理を促す
  • もしくは異常個所の負荷具合すらも自動で減らしソフトランディングさせてから異常個所の表示・確認依頼を問いかける
といった20世紀半ばではアニメーションの世界での話が,多種多様な機器の組み合わせと複雑な制御およびプログラムにより現実のものとなっている。

しかしその反面,深刻な平成不況によるリストラにより経験豊富な保全技術者が去り,現場での経験値が下がり,突発的に起こる異常発生への対応にも苦慮されるケースがあると聞き及んでいる。そのため,従来のモータ保護機器では事足りずに,その保護機器に足して設備の稼動状態を検出する検出機器への依存度が高まってきている。

各種データを取り出すことで予防保全を行い,突発的な異常の傾向を捕まえようと試みている場合が多いと思われるが,稼動状態データを取り出しても,十分に使いこなされているかというと首を傾げざるをえず,的確な保護は実際には実現されていないケースが多いことも事実である。そのようなニーズの中で生まれてきたのが,電子式多機能リレー「EOCR」(写真1)である。

この製品は韓国製で,韓国国内で市場占有率70%以上と電気エンジニアだけでなく機械エンジニアの皆様から絶大なる支持を頂いている製品である。その理由は,ただの保護機器ではなく保全を念頭に置いており,従来機器のようにトリップすることを主命とするだけでなく,トリップ後の復旧に関しても原因と電流値を表示することで,復旧までのプロセスに新風を吹きかけ,停止時間短縮に貢献している製品だからこそこれだけのご支持を頂くに至ったものと考えている。

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