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トラッキング機能を核とするMESによる操業支援
2004年9月
キーワード「運転支援/MES/ID」
1.はじめに
“MES”は,1990年 AMR Reseach にて提唱され,1992年 MESA International で定義されもので,最近になってやっと日本国内でもMESという言葉が普及してきた。しかし,海外では,そのMESという言葉はもはや死語になりつつある。それは,次のような点で,このMESの定義とMESパッケージのニーズ/実態との乖離が大きくなっているためと指摘するところがある。
- MESパッケージ製品がMESA定義範囲を超えている。
- MESA定義範囲を全て網羅するMESパッケージ製品はない。
- 非MESパッケージ製品がMESA定義範囲に入っている。
- CPMの役割の増大等で,MESAやISA-95の定義に縛れなくなってきた。
日本では,MESを寛大・広義に解釈しており,弊社も「MESとは,ERP,MRPと,現場の制御管理システムとの“繋ぎ”の役割をもつシステム」と位置付けている(図1参照)。
このMESに代わる言葉として,“PI(Plant Intelligence)”,“CPM(Collaborative Production Management)”等々,さまざまな言葉が唱えられているが,これらはこれまでのMESが中核となって構築されるものであり,まさにこのPI,CPMを実現するものとしてMESが存在する。つまり,MESは,企業経営/製造現場間,購買/販売間,設計/保守間に位置するもので,弊社は,製造企業経営側で活用する戦略的システムとして提案してきた。このようにMESは一般的に,会社,工場経営側から見たシステムとして位置付けられることが多い。
しかしながら,MESは経営側からの戦略的システムであるためのリアルタイムな製造情報を提示するための単なる情報収集マシンだけに特化してはならない。MESは,現場オペレータにて操作されるものであり,製造現場で中心的な役割を担う情報システムである。つまり,MESはそれを操作する現場オペレータ,現場監督者にとっても日々の作業の助けとなり,メリットあるものでなくては正しい情報は収集できない。
本稿では,本来の現場支援システムとしてのMESについて,特にMESの中核をなすトラッキング機能の実現による操業支援システムとして論ずることとする。
