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マイクロチップにおける検出法とマイクロ分析システム

神奈川科学技術アカデミー 渡慶次 学
東京大学 久本 秀明/北森 武彦
2002年1月

キーワード「マイクロテクノロジー/化学デバイス/技術革新」

1.はじめに

 数cm四方のガラスやシリコン,プラスチック基板に作製した数10〜100μm程度の微細流路(マイクロチャネル)を利用して,分析化学操作を基板上(マイクロチップ)に集積化する研究は,μ-TAS(Micro Total Analysis Systems)あるいはLab-on-a-Chipと呼ばれ,分析化学はもとより機械工学や電気工学の分野で大きな注目を集めている1)。また,最近ではマイクロチップの微小空間は,化学反応(特に有機合成反応)を行うのに非常に有利な特徴を持っていることから,微小反応器(マイクロリアクタ)としても大いに期待されている2)。
 このような微小空間を利用した化学は,試料・廃液量の低減,高速処理,自動化などの利点をもたらし,化学プラントさえも小型化できる革新的な技術に成り得ると考えられる。我々の研究グループでは,分離や混合などの単一の化学操作だけでなく,一般的な化学操作を集積化するという意味で“Integrated Chemistry Lab(集積化化学実験室)”と名付け,この集積化技術の研究開発を進めている。
 複雑な化学操作をマイクロチップに集積化するために,我々はマイクロ単位操作という概念を導入した。化学プラントを化学工学的に設計する場合には,混合器や反応器,熱交換器などを組み合わせていくが,これと同じようにマイクロチップの場合も混合,反応,加熱,抽出,相分離などのマイクロ単位操作(Micro Unit Operation:MUO) (図1)を組み合わせることで化学システムを構築することができると考えた3)。MUOを複数組み合わせることで1つの化学システムが構築できるのは,分析においても合成においても同様であるので,このMUOをさらに拡張することにより,より適応範囲の広い技術として確立できると考えている。
 上述したようにマイクロ化学システムは多くの利点を有しているわけだが,測定(分析)という観点からは試料量や測定対象物が極微量になるというのは非常に不利になる。そのためマイクロ化学システムの検出器としては高感度であることが必須となる。本稿では,最初にマイクロ化学システムに用いられている検出法について紹介した後に,我々が構築してきたマイクロ化学システムについて紹介する。

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